橋元淳一郎の月例報告一回目、2000年3月分

 最初なので、少し長くなりますが、昨年末あたりからの活動を報告致します。
今後は、毎月1回掲載予定です。
●1999年11月9日、現代書林より『人類の長い午後』刊行。四六判上製。224ページ。
定価1600円。
 人類のこれからの1000年をSF的発想で予測。著者としては、科学の衰退ののちに
来る新しい《知の指導原理》を予測したところがただの科学書ではないと思っている
のだが。確認できた範囲で、以下のような書評や紹介があった。
 1999年11月14日、読売新聞書評欄「記者が選ぶ」。
 1999年11月29日、朝日新聞夕刊(東京版)「これが面白い」で、日本SF作家クラ
ブ会長大原まり子氏の好意的な書評。
 2000年1月16日、朝日新聞書評欄「傾向動向」。
 他に、森下一仁氏も雑誌で好意的な書評を下さったようである。
 堀晃さんのホームページでも好意的に紹介頂いているようで、おおむねSF界では
好評のようであるが、版元の営業活動がいささか不満。もう少し宣伝してくれれば、
もっと売れると思うのだが……。
●『人類の長い午後』の刊行によって、原稿依頼、インタビュー、講演依頼が3件舞
い込む。
(1)UCカードの会員誌「てんとう虫」2000年1月号にSFショートショート。『100
歳の誕生日プレゼント』原稿用紙4枚。超2000年SF的日常生活を描いてほしいとい
う依頼により。「てんとう虫」のこの号は〈SFが覗いた未来〉という特集で、山田
正紀氏、野田昌宏氏も執筆。末席に名を連ねることが出来てありがたいことである。
(2)『リンク』という雑誌から取材。これから数十年先の未来について語ってほしい
とのことで、千年先なら出来るが、数十年はちょっと無理と言ったのだが、是非にと
いうことで受ける。どういう雑誌なのかいまいちよく分からなかったのだが、掲載誌
が送られてみると、貸金業の業界誌であった。インタビューの中で、資本主義は消滅
し、金はなくなる、などといったのだが、果たしてよかったのか……。
(3)IBMよりの講演依頼。IBMのユーザー会員向けの講演会で、小松左京、妹尾
河童、中村桂子といった方々が講演されるとのこと。そんな所へ出ていっていいもの
かしら、と思ったが引き受ける。5月19日、神戸で。ただし、会員向けなので一般の
人は聞けない。
●2月18、19日、東京出張。東進ハイスクール衛星予備校のテレビ収録のため。一昨
年、断りきれずに始めたが、昨年は多忙で収録を休む(一昨年のビデオテープで乗り
切る)。90分授業の4回分を収録。今年は、今回を含めて8回出張収録の予定。心身
ともに疲れるが、東京の空気をたまに吸うのは刺激になっていい。もっとも、完全な
るトンボ帰り。
●SFマガジン4月号掲載、連載コラム『プラトンの洞窟』第16回「聖アウグスティ
ヌスの苦悩」
●2000年2月29日、早川書房より『われ思うゆえに思考実験あり』を刊行。四六判並
製。256ページ。定価1600円。
 SFマガジンのコラム「擬似科学思考実験」(1993年1月号−1998年12月号)を大
幅に加筆・修正しまとめたもの。こちらは早川書房の営業力がものをいい、売れ行き
好調とのこと。東京の書店では、かなりいい場所に平積みされているそうだ。
●2000年3月10日、宝島社より、宝島社文庫『宇宙とは!?』刊行。分担執筆で、
『究極の「万物の理論」をめざす試み」の項を執筆。別冊宝島「宇宙論が楽しくなる
本」の文庫化。定価648円。初出は1990年であるが、とくに加筆・修正はせず。
 今回は少し長めですが、来月からはもっと短くなるでしょう。原則として、完了し
た仕事を中心に紹介し、現在執筆中の事柄については内緒ということにしておきます。
基本的に執筆活動の紹介が主ですが、私的生活についても少しは書く予定です(たと
えば、来月は転居の報告を致します)。

橋元淳一郎(2000年3月11日記)
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