橋元淳一郎の月例報告47回目、2004年4月分 
  新学期が始まり、朝の貴重な時間がしんどい授業に割かれるのは、給料もらっているから仕方がないとはいえ、惜しいことです。脳細胞が創造的に働くのもあとわずかの時間かと思うと、なおさらです。あまり仕事の進まないひと月でした。
●4月1日(木)
 『量子力学ノート』再校到着、さっそくチェック。
 午後から、駅前の美容院でヘアカット。
 帰り路、武田資料館から旧乾邸付近、花見をかねて散歩。
 東進『はじめからていねいに』のシリーズ重版連絡、ありがたいことである。
●4月2日(金)
 子供が発熱、発疹でいつもの小児科へ行くが、なんと休診である。やむなく深江の小児科まで車を走らせる。水疱瘡との診断。
 『量子力学』再校チェック。
 午後からヤボ用で須磨へ。早や散り染めであるが、須磨寺の桜見物。
●4月3日(土)
 『量子力学』再校チェック。
 夕方よりビールなど。午前3時就寝。
●4月4日(日)
 午前中、書斎片付けその他雑用諸々。
 『量子力学』再校、返送。
 阪神、巨人に開幕3連勝。ほんまかいなぁ、という感じである。
 酒飲まず、おとなしく12時就寝。
●4月5日(月)
 電車で出校。大学の入学式。その後、教授会、やれやれである。
●4月6日(火)
 4回生、新入生のガイダンスで今日も出校。久しぶりに2日連続の通勤で、疲れる。
●4月7日(水)
 新聞に、小柴ノーベル賞基金で科学賞を設立との記事。ぼくにも受賞資格があるんではないかとふと思うが、きっと候補にも挙らないんだろうなぁ。わが道を行くのみである。
 連れ合いと久しぶりに「みかげ館」でランチ。ついでに弓弦羽神社まで歩いて花見。
 夜、パンダネット。外国の輩は、ちょっと有利になると、「お前は考え過ぎだ」「この手は必要ないのだが」などと、くだらないチャットを送ってくる(必要ないなら打つな!)。'You talk too much!' と送ってやった。
●4月8日(木)
 SFマガジン連載、『プラトンの洞窟』、いつものごとく自転車操業で仕上げて送付。
 国税庁より還付金の連絡。これがすぐに固定資産税や自動車税やに消えていくのだ。世の中、そういう仕組みになっているのだ。
●4月9日(金)
 早朝起き。ごみ出し。洗濯、食器洗い、酒屋にビールの注文など、いつものごとしである。
 車で出校。新入生の懇親会。立食パーティだが、夜のことを考えてろくに食べず。若きエイリアンたち相手に会話も弾まず。
 夜、連れ合いと合流して、オーキッド・コート「去来花」で恒例のワイン会。
●4月10日(土)
 東進衛星予備校の新しい講座のテキスト原稿執筆。毎度のことながら、とくに今回の指導要領の改訂は、あきれるばかり。物理1は、なんと電磁気から始まるのである。力やエネルギーも教えず、どうして電磁誘導や交流を教えろというのだろう。
 夕刻、ヴァイオリン美人先生来。
●4月11日(日)
 東進テキスト執筆。
 午後から、ヤボ用で長岡京へ。
 ビールを飲んで夜更かし。
●4月12日(月)
 午後から、若い友人ご夫妻来駕。ご主人は朝から深夜までの仕事で、8ケ月の赤ちゃんに奥様は大変である。子育ての苦労に相槌を打つこと多し。子育ては得か、損かなどという議論があるが、そういう次元の問題ではない。誰も子供を生まず、育てなくなれば、人類は滅亡するのであるから。
●4月13日(火)
 早朝起き。ごみ当番。
 新年度最初の授業。今年もまた、朝一、疲れるなぁ。
 早々に終えて、連れ合いとランチ。今日は住吉駅南の「ひまわり」。住吉川を散歩して帰宅。
 夜、プロ野球。伊良部がぶざまな負け方。弱い阪神が戻ってきたかな。
●4月14日(水)
 朝から電車で出校。午前は授業、午後からは会議。
 帰宅後、書き物をする元気なし。
 阪神、初回に5点取っても、今日も負け。
 子供は、寝床でうんちをするし、もうぐったりである。
●4月15日(木)
 雑用が山のようにたまって、何かを忘れそうである。
 朝から車で出校。今日は午前、3回生ゼミ。午後はぶっつづけで4回生ゼミである。4回生ゼミは、今年は9名、みなやる気がありそうで、少し面白そうである。
 帰宅後、野球ばかりも見ておれず、疲れた体に鞭打って、東進衛星予備校の収録準備。2時就寝。
●4月16日(金)
 ごみ当番で早朝起き。子供が発熱。
 ややこしい中を、あとは連れ合いにまかせて、いつもの「のぞみ」で上京。
 東進ブックス編集部のO君が退社の挨拶に。いい仕事をしてくれる人が辞めていくのは、本当に残念だ。
 東進衛星予備校、収録2コマ。
 夕食を取ろうとしたら「三瓢」のシャッターが閉まっている。とくに貼り紙もなく、どうしたのだろう?
 ホテルから自宅に電話をすると、子供は40度の熱とか。
●4月17日(土)
 東進収録2コマ。
 帰路、車中は囲碁の勉強。
 連れ合いの出迎えも期待出来ず、バスで帰宅。
●4月18日(日)
 長岡京のお寺に電話をしたり、デスクワークの雑用を半日がかりで整理。
 子供の熱も下がったので、遅ればせながら連れ合いの誕生祝いを兼ねて、新神戸オリエンタルホテルへ。「なだ万」で懐石。
 夜、パンダネット、1勝2敗。4時30分就寝、なぜこういうことになるのか、自己嫌悪である。
●4月19日(月)
 朝の授業、車で出校。
 銀行で固定資産税納付。
 さすがに疲れひどく、早々に帰宅。酒も飲まずに寝る。
●4月20日(火)
 きょうも早朝授業、やれやれ。
●4月21日(水)
 朝から電車で出校、午後は教授会、夜は新任の先生方の歓迎会。
●4月22日(木)
 終日、ゼミ。執筆がまったく進まないまま、今週も過ぎていく。
●4月23日(金)
 早朝起き、ごみ出し。
 連れ合い、包丁で指を切る。大した傷ではないが、今夜は「去来花」で本番である。どうなることか。ヴァイオリンの美人先生も、指に怪我をしているとかで、怪我デュオとんでもコンサートである。
 リハーサルでは鍵盤が真っ赤に染まったため、本番はやむなく絆創膏を貼っての演奏。
 楽屋裏はハラハラであるが、本番は何事もなかったかのように進行する。ご苦労様でございました。
●4月24日(土)
 同窓会を楽しみにするような歳ではないと思っている。昔を懐かしむより、近未来にやるべきことが山のようにある。そもそも最近は会合嫌いに陥っているのである。
 それゆえ今日は例外中の例外。まだリクルートも発足していなかった昭和40年当時、「京大学生親学会」という学生の自主運営組織があった。そこにぼくは1年だけ所属し、雑誌の編集部員として、月何千円かの「給料」をもらっていた。その同窓会が京都、四条烏丸の料亭「木乃婦」で行われた。出席者16名、会に誘ってくれた友人一人を除いて、まったく思い出さない人ばかりであった(なまじ顔など覚えているより、初対面の方が気が楽である)。名刺を交換すると、代表取締役か博士か教授ばかりである。京大にはもっと変な奴が一杯いたはずなのだが、そういうのはどこかで野垂れ死にしているのだろうな。本当はそういう連中に会いたかったのだが。
 二次会は遠慮して、地下鉄で「宝ヶ池プリンスホテル」へ。車で来ていた連れ合いと合流。再び電車で三条京阪へ。祇園「呑道楽」で一杯やってから、いつもの先斗町「クラブ・デゼール」へ。連れ合いは1年ぶり。マスターの原野さんの男っぷりに感服していた。深夜まで満席で、若い客も多く、シンプルなバーなど流行らない昨今、マスターの実力を再認識した。我々の通う馴染みの店は、なぜか潰れることが多いのだが、ここだけは心配なさそうだ。
 午前2時、タクシーでホテルまで。
●4月25日(日)
 まだゴールデンウィーク前なのか、名神高速は空いていて、1時間少々、11時過ぎには神戸着。
 ビールの飲んでごろごろ。
●4月26日(月)
 早朝起き、荒ごみ出し。
 車で出校。授業1コマを済ませて、早々に帰宅。
 帰路、「ミドリ」でディジカメを修理に出す。ついでにUSBメモリーなど購入。こんなものが出来ると、もはやフロッピィも過去の遺物である。
●4月27日(火)
 大雨で、ごみ出しはパス。
 雨中、車で出校。やれやれ。
 帰宅後、読書『存在と時間』
 夜、パンダネット。楽勝のところを、相手が回線を切断してくる。ネット囲碁は、不愉快なことばかりである。
●4月28日(水)
 電車で出校。午前授業、午後教授会。やれやれ。
 会議が長引き、久しぶりに親しい先生数名と飲む。ATC「季乃庄」にて。
●4月29日(木)
 門前に犬の糞。クソッ!
 読書『存在と時間』
 連れ合いはコンサートを聴きに。夕食を一人で食べるはめになり、新規開拓をはかろうと、住吉駅前をぶらぶら。有馬街道沿いの「ふ志田」という店に入る。ふつうの居酒屋であるが、直感通り、味よく、客層も品悪くなく、合格点である。
●4月30日(金)
 今年の鼻炎は、昨年世話になった点鼻特効薬で、小康状態である。本当は当の医院まで足を運ぶべきなのだが、三重県なのでつい気後れしている。
 5月の姫路コンサートの初回合わせに、チェロのNさん始めて来。
 終日、新企画の構想。今年の執筆計画は、『単位の取れる』シリーズと、当企画の2本である。気合いは入っているのだが、もっと時間を取らねば。
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